行政書士試験ってどんな試験?難易度と合格率を解説
行政書士を本気で目指すみなさん、また行政書士に興味を抱いているみなさん、こんにちは!
【この記事の概要】
・行政書士の試験ってどんな試験なのか。
・行政書士試験の難易度って、どれくらい難しいの。
・行政書士試験ってどんな人が合格しているのか。
・行政書士試験合格のコツ
みなさんはこんなふうに考えたことはありませんか?
自分が受験する試験は「どれくらい難しい試験」で、「どんな人が受け」て、「どんな人が受かっている」のか。
これらを知ったうえで勉強するのはとても大事なことです。
この記事では、みなさんが受験する行政書士試験について徹底解説していきます!
試験について解説していくと、どんなふうに勉強したら合格に近づけるのか、どんな人が合格しやすいのかも、自然と見えてきます。
ぜひ、最後までお付き合いください。
この記事の信頼性

僕はひのと言います。
3度の社労士試験受験、2年半の試験勉強を経て令和元年度社労士試験で合格しました。
長きにわたる士業の受験勉強を経験し、試験で抑えるべきツボと、必要な対策は理解しています。
自身の経験の良かったなと思うところと後悔したところなどを踏まえて解説させていただきます。
どういった試験なのかを見ながら行政書士試験の全容解明していきたいと思います。
行政書士部門の記事については、法律専門家監修済み。
行政書士試験の概要
最初に、行政書士試験がどんなものなのか解説します。
敵(行政書士試験)を倒すには、まず敵を知るべし!
行政書士試験 ~日程~
毎年11月の第2日曜日に実施されます。
試験時間は13時から16時まで(3時間)です。
ちなみに、受験手数料は7,000円です。
行政書士試験 ~申込方法~
7月末から8月末までの間に、郵送またはインターネットで申込をします。
行政書士試験 ~受験資格~
行政書士試験に、受験資格はありません!
つまり、誰でも受けることができるのです!
行政書士試験 ~出題科目・配点~
出題科目や配点は、下のようになります。

行政書士試験 ~出題形式~
出題形式は、下の表を参考にして下さい。
出題形式 | 説明 | 配点 |
五肢択一方式 | 5つある選択肢から正しいもの (あるいは間違っているもの)を選択 | 72% |
多肢選択方式 | 20個ある選択肢から、4つの空欄に当てはまる語句をそれぞれ選択 | 8% |
記述式 | 問いに対する回答を40字程度で記述する問題 | 20% |
行政書士試験 ~合格基準~
合格基準は、「法令科目」と「一般知識」それぞれで得点が6割以上=全体で6割以上の得点を取ることです。
絶対評価の試験ということになりますね。6割以上取れれば誰でも合格です。
行政書士試験 ~合格発表~
11月に実施される行政書士試験は、翌年の1月の末に合格発表があります。
行政書士試験の受験者数の推移
行政書士試験は毎年行われていますが、例年どのくらいの人が受験して、どんな人が合格しているのでしょうか?
行政書士試験 ~受験者数の推移~
過去10年間の行政書士試験受験者の数の推移を表にしました。
年度 | 申込者数 | 受験者数 |
平成23年度 | 83,543人 | 66,297人 |
平成24年度 | 75,817人 | 59,948人 |
平成25年度 | 70,896人 | 55,436人 |
平成26年度 | 62,172人 | 48,869人 |
平成27年度 | 56,965人 | 44,366人 |
平成28年度 | 53,456人 | 41,053人 |
平成29年度 | 52,214人 | 40,449人 |
平成30年度 | 50,926人 | 39,105人 |
令和元年度 | 52,386人 | 39,821人 |
令和2年度 | 54,847人 | 41,681人 |
徐々にではありますが、受験者数が減っています
とはいえ、毎年4万人が受験する、資格試験であることに間違いはありません。
士業の中では「行政書士」と「社労士」の受験者が同じくらいで、大変規模の大きな試験となっています。
行政書士試験はどんな人が受験して合格している?
行政書士試験には受験資格がないので、誰でも受けることができます。
ここでは、性別や年齢別でどんな人が受験しているのかについて、見ていきます。
【令和2年度受験者の構成】
10代 | 20代 | 30代 | 40代 | 50代 | 60代以上 | |
男性受験者数(29,566人) | 1.2% | 16.1% | 21.3% | 25.2% | 23.1% | 13.2% |
女性受験者数(12,115人) | 2.0% | 23.1% | 25.4% | 26.9% | 17.2% | 5.4% |
【令和元年度受験者の構成】
10代 | 20代 | 30代 | 40代 | 50代 | 60代以上 | |
男性受験者数(28,472人) | 1.3% | 15.2% | 21.3% | 26.3% | 22.5% | 13.4% |
女性受験者数(11,349人) | 1.6% | 21.1% | 26.0% | 28.5% | 17.4% | 5.4% |
【平成30年度受験者の構成】
10代 | 20代 | 30代 | 40代 | 50代 | 60代以上 | |
男性受験者数(28,049人) | 1.3% | 15.4% | 22.5% | 26.5% | 22.0% | 12.3% |
女性受験者数(11,056人) | 1.6% | 22.3% | 26.3% | 28.1% | 16.6% | 5.1% |
こうしてみると、
・男性の方が倍以上の人数受験していること
・男女ともに30代、40代で受験している人が多いこと
がわかります。
「働きながら、または家で家事をしながら行政書士試験にチャレンジしている人が多い」ということがわかります。
行政書士試験の難易度と合格率
行政書士は、まぎれもなく「国家資格」です。
なので、
「国家資格」なんだから、才能に恵まれた選ばれた人しか合格できない超難関資格なんじゃないの…?
こういう印象を持ってしまう人が多いように思います。
ですが、具体的な数字を見ていくと、そこまでビビってしまうようなことではないことがわかります。
ここでは、行政書士試験の難易度について、「具体的な数字」を根拠に解説していきます。
行政書士試験の合格率
試験の難易度を語る上で、合格率は欠かせません。
こちらが、過去10年間の行政書士試験の合格率になります。
年度 | 合格率 |
平成23年度 | 10.7% |
平成24年度 | 11.5% |
平成25年度 | 12.7% |
平成26年度 | 15.7% |
平成27年度 | 10.0% |
平成28年度 | 13.1% |
平成29年度 | 8.3% |
平成30年度 | 10.1% |
令和元年度 | 9.2% |
令和2年度 | 8.1% |
例年、合格率は「10%前後」であることがわかりますね!
こうしてみると、「10人に1人しか合格しないのか…」と不安になるかもしれません。
ただ、受験者の全員が命を賭けて勉強してきたわけではありませんし、記念受験の方もおられるでしょう。
また、申し込んだものの当日キャンセルされる方なども考えれば、実際の合格率は20%くらいなのではないかと思っています。
でも、行政書士試験は明確な合格基準がある絶対評価の試験なので、合格率や他の人のことは気にせず、自分と向き合ってちゃんと勉強すれば、必ず合格できます!
これまでの勉強の成果を試験で発揮出来るかが最大のポイントとなります。
他の士業資格と比べた行政書士試験の難易度
行政書士試験は、合格率約10%ということがわかりましたね。
一見かなり「むずかしい」ように見えますが、いったん他の国家試験を見て、行政書士試験の難易度の立ち位置を確認してみましょう。
僕が合格した社労士試験の合格率は、だいたい6%くらいです。
社労士試験・・・・約6%
司法書士試験・・・約4%
弁理士試験・・・・約7%
公認会計士・・・・約11%
税理士・・・・・・約12%
つまり、行政書士試験の合格率が10%前後であることは、いたって普通のことだということです。
士業の中で「特に難しい!」なんてことは、全くありません!
ただ普通に難しいです。
行政書士試験に合格するのに必要な勉強時間
どれくらいむずかしいのかはわかったけど、具体的にどれくらい勉強したらいいのかがわからないと不安だよ…
受験生みたいに1日数時間も勉強しないといけないの…?
勉強方法や法学の勉強経験によって変わってきますが、行政書士試験の勉強時間についてはだいたい「700時間〜1000時間」と言われています。
勉強期間を1年間与えられたのなら、1日約2.5時間勉強すれば合格です。
これくらいなら、お仕事で忙しい人や家事で忙しい人、他の勉強が大変な人でも、スキマ時間などを活用すれば十分に合格を狙えますね!
行政書士試験の対策方法は?
ここまでで、みなさんには行政書士試験という敵と、敵をとりまく環境について知ってもらいました。
ここからは、どうやったら敵を倒すことができるのかについて解説していきます!
行政書士試験の効果的な対策
行政書士試験のための対策としては、大きく分けて二つの勉強方法があります。
それは、
- 独学で勉強する
- 通信講座を活用し勉強する
です。どちらの方が効果的なのかについては、以下のページにまとめているので、コチラもご覧ください。


ここでは、独学と通信講座の両方に共通する、超重要なポイント、勉強方法を紹介します。
まずみなさんに絶対に覚えておいてほしいことは、
過去問を最大限に活用すること
です。
過去問は最後の確認や実力試しに使うだけでいいや
なんて思っていませんか?
それは大間違いです。
過去問というのは、
・試験本番でどのような問題が出るのか(傾向を把握)
・試験で大切だと考えられていることは何か
・合格に必要な知識
これら全てが詰まった、「最強の教科書」です!
過去問の大切さをわかっているかいないかで、合否が別れると言っても過言ではありません。
過去問をやったうえで各予備校が実施している模試も受験すれば本番環境に十分慣れることが出来るでしょう。
これだけはぜひ、覚えておいてください。
行政書士試験に合格するのはこんな人!
ここまで考えると、どんな人が行政書士試験に合格するのかが見えてきます。
「周りを気にせず目標にコツコツ着実に頑張れる人
こういう結論に達しました。
行政書士試験は努力が確実に報われる試験だと思います。
行政書士の難易度、合格率まとめ
行政書士試験について理解していただけたでしょうか。
行政書士の合格率は10%前後とかなり難しい試験であることが分かりました。
ただ、受験者の全員が命を賭けて勉強してきたわけではありませんし、記念受験の方もおられるでしょう。
また、申し込んだものの当日キャンセルされる方なども考えれば、実際の合格率は20%くらいなのではないかと思っています。
行政書士試験は、独学や通信講座での対策がありますが、勉強を続ければ確実に合格へと近づく試験でもあります。
この記事をきっかけに、行政書士試験合格への一歩を踏み出しちゃってください!